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恵解山古墳(いげのやまこふん)は、古墳時代中期(4世紀末~5世紀末)に
築造された乙訓地方最大の前方後円墳です。
全長は、約128mでその周囲には幅約30mの浅い周濠(しゅうごう)が
掘られていました。
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古墳は3段に築かれ、斜面には河原石が積まれて、各段と頂上平坦部には
埴輪が並べられていました。
後円部には、死者を埋葬した竪穴式石室があったとみられていますが、
今は墓地になっています。
前方部の中央からは、刀剣などの鉄製武器が約700点発掘されました。
恵解山古墳は、その規模や構造から5世紀前半頃の桂川右岸の乙訓地方全域を
治めた支配者の墓と考えられています。
墳形は大王(天皇)墓に倣っていることから、被葬者は王権と強いつながりを持ち、大王墓の設計図を使用できたと推察されています。
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後円部の少し前方にある、東西約8.5m・南北約12mの造り出しの取り付き部分は、島に見立てて入り江状に表されていました。
造り出しは、東西で形や大きさが異なるようですが、西側のみが再現されています。
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造り出し上面は、埴輪で囲われ、東辺の埴輪列は、北寄りで食い違いがあり、そこから中へ入る仕組みになっていました。
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斜面は、河原石による葺石(ふきいし)で築かれ、平坦面には約650点の
埴輪が並べられていました。
埴輪は、円筒埴輪と呼ばれる土管状のもので、約40cm間隔で並べられていた
ことから、恵解山古墳全体では約1800本以上の埴輪が使われたと推察されます。
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前方部の中央付近からは、多量の鉄製武器類が、長さ6.5m以上、幅約80cmの
木製の箱状の入れ物に納められていました。
箱の底には刀が、その上に剣と槍、さらにその上に短刀と大量の矢が束ねられて
整然と置かれていました。
多量の鉄製武器が出土した例は全国的にも珍しく、京都府内初となり、
出土品は平成11年に府指定文化財に指定されました。
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昭和55年、墓地拡張工事の際に、前方部の中央付近からで鉄器が出土した事から、
調査が開始されました。
ただし、古墳の保存状態は悪く、後円部にあった竪穴式石室が失われるなど
改変され、容姿はひどく損なわれていました。
明智光秀が、山崎の合戦の際、ここに本陣を置いた痕跡との見方が出ています。
後円部には、平坦地を造成して曲輪(くるわ)が設けられ、前方部は堀で切られ、
周濠の外にも堀の跡が見つかりました。
明智光秀が本陣をおいたとされる「御坊塚」は境野1号墳ではなく、
恵解山古墳とする説が最新の学説となっています。
江戸時代になると、墳丘は墓地となりました。
恵解山古墳は、調査翌年の1981年に国の史跡に指定され、埴輪列や葺石などの
復元整備工事が完了した平成26年秋、恵解山古墳公園として開園しました。
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東側の造り出し部分です。
僅かの竹薮が残され、以前は竹薮に覆われていたことを想像させます。
恵解山古墳の大きさ
後円部径=約78.6m
後円部高=推定10.4m
前方部幅=約78.6m
前方部先端高=推定7.6m
中山修一記念館へ向かいます。
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中山修一記念館は、氏の生家で、書斎として使われていた部屋を、
展示場として開放されています。
案内される方が常駐し、中山修一氏の功績について説明を受けることができます。
中山修一氏は、文献上だけの「幻の都」といわれていた長岡京を、
平安京と同様に碁盤の目のように区画されていたことを明らかにし、
長岡京の全体の復元図を作成しました。
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母屋です。
昭和28年、氏が37歳の時、「乙訓郡誌」の執筆依頼がきっかけで、
長岡京の研究に没頭するようになりました。
昭和29年に長岡京の発掘調査に初めて着手し、
翌年に朝堂院南門(ちょうどういん・なんもん)跡を発見。
以後、小安殿(しょうあんでん)、大極殿(だいこくでん)跡など
重要な遺構を次々と発掘し、長岡京中枢部の全容を明らかにしました。
昭和51年、氏が60歳の時、 長岡宮跡発掘調査団(のちに長岡京跡発掘調査研究所と改称)が再結成されましたが、それまでの発掘調査費の殆どは、
私財で賄われていました。
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邸内には中山修一氏の像が建てられていました。
背後の松は、樹齢400年とか...

このコースの締めくくりは、お決まりのサントリービール工場見学です。
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工場にはホップが植えられています。
初めて目にしました。
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有料(1,000円)のマスタードリーム講座を申し込みました。
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テーブルには、ダイヤモンド麦芽が置かれていて、数粒試食しました。
ダイヤモンド麦芽とは、チェコで伝統的に使われる、上質で深いコクのある
希少な麦芽とのことですが、ほんのりとした甘みを感じました。
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最初約30分間、醸造家のマスタードリームに対する“こだわり”の講座を
受講しました。
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工場に行き、“こだわり”の製法を見学しました。
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“銅炊き仕込み”の模型です。
パイプ全体が蒸気で熱せられ、その中の銅管を麦汁が流れる仕組みだそうです。
そして、待望の試飲タイムです。
おつまみ付きで3杯飲むことができます。
試飲で使ったのと同じグラスをお土産に貰って久貝のバス停から帰途に着きました。

次回は、阪急京都線「西向日駅」から長岡京跡や向日神社を訪ねます。